2013年4月15日深夜、観に行ったその日にはてぶに書いた感想を転載。
国立近代美術館でやってるフランシス・ベーコン展、見に行った。
正直言って、直情的にああ、すごい!とかこの絵すき!っていうのはひとつも一瞬も感じ取れなくて。
ただ、前時代の反発や現状を打破する新しい試みだとか、今までにない概念や思想、視点を生み出す希望や可能性を感じられるものを「美術」や「アート」だと勝手に解釈しているんだけど、中世美術のように、信仰心を具現化するための手段としての絵、描写のなかにも、人間らしさを表現していったルネサンス、やわらかいタッチからダイナミックなバロック、翻って華麗な貴族文化を象徴するロココ。印象主義は人物描写が中心だったところを情景や風景を書く。人間の目に写る風景という前提のもと、対象だったり、書き方が繊細と大胆の間をいったりきたり、全時代の潮流の反対か裏か反発の結果かのいづれかって感じだったのが、前時代までのアートかななんて思ってて。ベーコンだけに限らないかもだけど、今見えているものや細胞、脊髄レベルで枠組みを外していく、それぞれの持つ機能を再検証してそれを絵で再現する、みたいな試みってまるでいままでのそれと性質が違うというか。レイヤーが違うなというか。
これまで人間のより内なるなにかを表現するものなんだなって。
多くの人がベーコンに傾倒するのは、その哲学的な考えを絵に表現してくれたところなのかな。よくぞ!やってくれました、て意味合いを1%くらい含みつつのまったく思いもつかなかった考え方を世に出してくれたことに対する称賛からなのかな。
うちなる感情が対象になるって、ある程度、社会が成熟していった証拠でもあるのかなと思ったり。
まったくあたらしい価値観を世に送り出してくれたあたらしいアートを生み出したという点で、ベーコンすごいなっておもった。
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識者の見解、どういう風に評価されているのかをじっくり読みたい。