地方自治体の取り組みに対して建設的な意見や改善点を述べている内容で、はじめはほんとありえない、こんな地方に住みたくない…と他人事のように読んでいたけど、なぜか読みすすめるほどに私自身が「一刀両断」されているような感覚に陥った。
それは、地方や日本がおかしな取り組みをするのはそんな自治体を支持しているあなた個人の責任でもあるのよ、という類の話ではなく、地方自治体の取り組みそのものが、私自身の仕事上での企画案を出す時のダメポイントとか、ひとつの仕事の取組だけでなく、自身のキャリア…身の振り方についてもデジャブ感が…
著者の木下さんは冒頭で、地域の構造問題だけでなく、民間のあらゆる業界、企業でも似たような問題を抱えていて、極めて多くの共通点がある。と述べており、確かに以前在籍していた昭和の中小企業も全く同じことをしていた。
けど、これは業界や企業という大きな組織だけじゃなく、個々人の仕事についても同じことが言えるのかなと思った。
横並び発送、飛び道具的な解決方法があると思って、本質的な解決方法を考えずとりあえず目新しい手法に飛びつく、予算があるからやる…かつて自分が所属していた企業の事業や物事の進め方、また、自分自身の仕事の取り組み方に当てはまって、なぜか過去の自分の行いを思い出して恥ずかしくなった。
悪い例だけでなく、”内発的資源”に基づいて行われている事業や、補助金がなくとも持続可能な生業が行える、など成功事例についても具体例とともに紹介されていて、それが救いだった。
仕事の内容に近いので、ネタ探しのために手にとった本だったけど、地方のいち行政の話とは思えず、私自身の仕事の取り組み方を見直すきっかけとなるような、まるでビジネス書のようだった。