今週頭あたりに、都営三田線の千石駅に、こんなポスターが貼られてた。

たしか東急田園都市線、東京メトロを通勤で使ってたときも、同じようなポスターを見た記憶がある。
駅が違うだけで内容は同じのポスターに、なぜか違和感というか、見るとザワザワするこの違和感。
はじめてこの画像のポスターを見たときは、
「ほとんどの企業は就業時間が固定で、個人の裁量で通勤時間変えられないし、変えられるような地位の高い人はそもそも電車に乗らないよね。誰に向けて何を狙ってこのポスターを作ったの?考えなさすぎじゃない?」
と少しイラっとしたけど、ホームへの階段を下りきる頃にはポスターのことをたぶんすぐ忘れた。
でも、毎朝見て、毎朝デジャヴを感じて、ふと気付いた。
「あれ私、今の会社フレックスで13時までに出社すればいいから、ラッシュを回避できるのになんでこんなに怒ってるんだろう?」
わたしは5回転職していて、半分くらいが出版社勤務だったので、ラッシュをあまり経験してこなかった。
池尻大橋という東京の通勤時混雑率一、二を争う区間に住んでいたときも、10〜11時に出社すればよかったのでラッシュを経験したことがなかったので、はじめて混雑率のポスターを見たときは、
「へえ〜試しに早く行ってみようかな?」
と訳のわからないことを考えるくらい、過酷さを想像できていなかった。
あのときと今と状況はほぼ同じなのに、昔と違ってイライラしているのは、その出版社と今の会社の間に3年間在籍した会社が、
フレックスタイム制で、コアタイム11〜16時なのに、歴史ある会社によくある形骸化した制度だったため、9時出社を強いられており、業務的には問題ないのに、満員電車に乗らざるを得ない状況だった自分を思い出してイライラしてるのかなと思った。
うーん、でも今はそんなこと考えなくても、ラッシュを外して会社にいけるのに、なぜ考えても仕方のない過去のことを思い出して、煮えくり返ってるのか。
自分の思考回路が理解できなかった。
今週終わりぐらいにこのポスターをみたとき、
今まで、9時に出社しなくてもいいのに、そうしなければならないと、この3年間必死に自分に言い聞かせてたんだなと気付いた。
それを、まったく別の環境に移動して、どれだけ自分が心を無にして会社に魂(言い過ぎ?)を捧げてしまっていたのか。あらためて認識した。
で、あらためて、このポスターを見て、
「そうか〜!この時間がめちゃくちゃ混んでるのか〜じゃあもう1時間あとにズラすかあ〜」と、
「ピークを避けての通勤・通学」ができる人が、いったいどれくらいいるんだろう。
たぶん99%の人ができないし、ピークの時間帯なんてポスターがメッセージを伝えたいピークに乗車してる人たちには言われなくてもわかってるし、ずらせるならとっくにずらしてるだろうし…。
私が転職したもうひとつの理由、本来ならラッシュに乗らなくてもいい人をなくすこと。ラッシュに乗る人を強いる会社をなくすこと。はやくそれが実現できる力を身に付けたいと思った。
あのポスターを見て、1週間が経った。
月曜からは、ポスターを見るたびに、すこしでも早く、すこしでも多くの人をラッシュに遭遇させないようにしようと奮い立つ、アラートになるのかな。「仕事」しよう。
混雑ピーク時のポスターを混雑してないときにガン見する変人がいたら、私です…。